潜行密用をテーマに静かに仕事と向き合う日本人女性

潜行密用 ― 誰も見ていないところで、何をするか

「潜行密用(せんこうみつよう)」という禅の言葉があります。

中国・唐代の禅僧、洞山良价の『宝鏡三昧』にある「潜行密用、如愚如魯」という言葉に由来します。

人に見せるためではなく、目立たないところで黙々と行い続ける。

その姿勢の大切さを伝える言葉として受け継がれてきました。

今の時代は、何をしたかだけではなく、「何をしたかを、どう見せるか」まで求められる時代です。

仕事の成果を発信する。

SNSで日々の出来事を伝える。

自分の努力や実績を言葉にして、多くの人に知ってもらう。

もちろん、それも必要なことだと思います。

けれども、本当にその人や会社を支えているものは、案外、人から見えないところにあるのではないでしょうか。

誰も見ていなくても、同じようにする

朝、少し早く来て机を整える。

お客様が来られる前に、入口や共用部分を確認する。

頼まれていなくても、次に使う人が気持ちよく使えるようにしておく。

メールを一通、丁寧に返す。

小さな約束を守る。

どれも、人に自慢するようなことではありません。

しかし、こうした「当たり前のこと」の積み重ねが、その人への信頼をつくり、会社への信頼をつくっていくのだと思います。

誰かが見ているからするのではなく、誰も見ていなくてもする。

評価されるからするのではなく、自分が大切だと思うからする。

そこに「潜行密用」の精神があるように感じます。

本当の仕事は、見えないところにある

SOHO BOX 北浜も、多くの方が仕事をする場所を提供しています。

レンタルオフィス、バーチャルオフィス、コワーキングスペース、荷物預かりなど、サービスの形はさまざまです。

けれども、お客様から見えるサービスだけが仕事ではありません。

部屋を整えること。

設備に不具合がないか確認すること。

郵便物を間違いなく扱うこと。

お問い合わせにきちんと答えること。

そして、困っている方がいれば「何かできることはないだろうか」と考えること。

むしろ、こうした表からは見えにくい部分にこそ、仕事の本質が表れるように思います。

「見せる努力」より「続ける努力」

派手なことを一度するより、地味なことを百回続けるほうが難しいものです。

挨拶をする。

掃除をする。

約束を守る。

感謝を伝える。

間違えたら素直に謝る。

昨日より少しだけ良くする。

一つひとつは小さなことです。

しかし、小さなことを疎かにしない人は強い。

すぐに結果が出なくても、誰からも褒められなくても、淡々と続ける。

その積み重ねは、やがてその人自身の「在り方」になっていきます。

今日も、見えないところを大切に

人からどう見られるかを気にし始めると、私たちの心はどうしても外へ外へと向かいます。

そんな時こそ、「潜行密用」という言葉を思い出したいものです。

大切なのは、誰かに見せることではなく、自分自身が知っていること。

誰にも見られていない時に、どのような仕事をするのか。

誰にも褒められないことを、どれだけ丁寧に続けられるのか。

私は、そこにその人の本当の姿が現れるのではないかと思っています。

華やかでなくてもいい。 目立たなくてもいい。

今日もまた、当たり前のことを、当たり前に、丁寧に行う。

そんな「潜行密用」の心を、私たちも大阪・北浜のこの場所で大切にしていきたいと思います。